logo-top002.pnglogo-top002.png日本レット症候群協会 
Japan Rett Syndrome Association

レット症候の座位保持を通して

国立身体障害者リハビリテーションセンター研究所 廣瀬秀行




私たちは国立リハセンターで病院と共同してシーティングの適合サービスを実施しています。シーティングとは座ることを指しています。歩行障害を持たれた多くの方は車いす上で1日を過ごされます。1日座るいすを医療・リハ専門的な観点から、そして実際に使える「いす」を作り上げることを行なっています。
 初めて、柳沢さんを診せていただいた時、戸惑いました。ご家族からのニードはリクライニング車いすなどのいわゆる「車いす」でした。また、病気について日本語の文献を見たところ側わんが起きるが、特発性側わん症に類似しており、特別な車いす、厚生労働省では「座位保持装置」の適用がないのではと考えました。
 ただ、日本では座位保持装置が近年その考えが出来てきたものであり、十分に広まっているとは考えられない状況です。そこで、米国のRettsのホームページをあたったところ、Meir LotanがTreating Scoliosis in Rett Syndrome の中でa supportive seating system with head and trunk support(頭部と体幹部の支持機能を持った座位姿勢保持装置)の記述がありました。座位保持装置の適用を考えてもよいことがわかりました。ただ、側わんにどの程度有効か示されていなかったので、まだ踏ん切りがつきませんでした。
 もう一度、彼女を診ると後わんが大きいことがわかりました。しかし、脊椎の動きの制限は少ないようでした。後わんについては既存の車いすによる二次的要因が大きいと判断しました。二次的要因とは車いすの座や背面が骨盤や脊柱を支持出来ないスリングシートで出来ています。車いす上座位では骨盤は後ろに倒れ、脊柱は丸くなり、頭が前方に出て行きます。これは高齢者の座位でも良く見られます。
 後わんへの座位保持でもう一度、捜したところ、Kyphosisの項目で家族の方からの意見のなかにSeating System(座位保持装置)やTilt in space(いすごと傾ける機能で座位保持によく使用されている)の記述がありました。それらの記述が後わん発生をある程度防ぐ機能を持つことが十分理解できたので、後わんを主に、二次的に側わんも考慮して座位保持装置の製作にあたりました。
 後日、Silent Angelのビデオを見たところ、半数程度の方が座位保持装置を装着した車いすに乗っていられました。スケートのシーンは今までの車いすにないしっかりとした座と背、頭部支持、そして胸部へのベルトをしていました。後わんを意識したものだと思っています。
 最後に、座位時間が多くなった時、座位保持を製作する手法もアプローチの一つとしてあると思いました。有効性を検討する為にも、継続してみて行く必要があります。ただ、残念なことは座位保持をしっかり見てくれる体制が少ないことです。

http://www.rettsyndrome.org/main/treating_scoliosis.htm
http://www.rettsyndrome.org/digests/00019.htm