logo-top002.pnglogo-top002.png日本レット症候群協会 
Japan Rett Syndrome Association

お母さんが綴った、レット姫の生後18ヶ月間の記録

お母さんが綴った、レット姫の生後18ヶ月間の記録

生まれてからの経過メモ
1997年生まれのレット姫、Nちゃんのお母さんが綴った生まれてからレット症候群と診断されるまでの18ヶ月間 レット姫、病院での様子とお母さんの思いの記録です。
レットの子供達も十人十色で、ここにご紹介した記録は一例に過ぎませんが、多かれ少なかれレット姫のお母さんはこのような経験をしてレット症候群にたどり着きます。
レット症候群の第一発見者はお母さんです。

レット姫 Nちゃんのご両親からのメッセージ
彼女が生まれた時から育児書、医学書とにらめっこをし、何の病気かわからない日々が続いていましたが、ここでやっと先生の口からレット症候群という病名が出て、もちろんショックですが、私自身ホットしています。やっと家事や育児が以前のように出来るようになりました。お兄ちゃん二人が彼女のよき遊び相手で、すごく楽しそうな顔でニコニコしています。それを横で見ていると、彼女の障害のことなとどうでもよくなってきます。彼女が心で幸せを感じ、笑顔で笑う。どこの家庭にもある兄弟の風景だと思いますが、彼女はあまり笑わないので、すごくすごく私達が幸せを感じる瞬間なんです。彼女の笑顔イコール私達家族の幸せといってもいいくらいです。これから彼女にはたくさんの愛情を感じてほしいと思っています。そしてこの会の入会をきっかけに、たくさんの人達とお知り合いになれたらなあ~と思っています。


0 ~ 1ヶ月
レット姫 病院 母親
【1ヶ月検診】
・体重が600g しか増えない。
・飲む量を計ってみると70cc 飲めていた。
・「ミルクをたして下さい」と言われる。
【育児相談室に週3階通い始める】
・「70cc 飲めていれば、回数を多くして何回も飲ませれば大丈夫」と言われる。
・ミルクをたしても飲む量は変わらず、おっぱいをしぼってすてていたので、あまり意味がないのでは?と思う。

・彼女のことをいろいろと相談する。
・ちょこちょこ起こしておっぱいをあげるがやっぱり飲んでくれない。
・12時間以上飲まないことがしばしばある。
 
1ヶ月 ~ 2ヶ月
レット姫 病院 母親
【1ヶ月検診】
・体重が600g しか増えない。
・飲む量を計ってみると70cc 飲めていた。
・「ミルクをたして下さい」と言われる。
【育児相談室に週3階通い始める】
・「70cc 飲めていれば、回数を多くして何回も飲ませれば大丈夫」と言われる。
・ミルクをたしても飲む量は変わらず、おっぱいをしぼってすてていたので、あまり意味がないのでは?と思う。

・彼女のことをいろいろと相談する。
・ちょこちょこ起こしておっぱいをあげるがやっぱり飲んでくれない。
・12時間以上飲まないことがしばしばある。
     
2ヶ月 ~ 3ヶ月
レット姫 病院 母親
・なんとか最低のラインで体重が増える。

・ベットメリーなどを目で追うようになり、人の顔をジーッと見る。だんだん首がしっかりしてくる。
・眠くなると髪の毛をいじるのだが、みんなひっぱって髪の毛を抜いてしまう。
・体重が増えているからおっぱいがきらいな子かもしれない。離乳食が始まればよく食べる様になるヨ。 ・おなかがすかないのかなぁ、とにかくよく寝る。

・お兄ちゃん二人は髪の毛をいじるようなことはなかったのですが、友達の子供も髪の毛をいじると言っていたのであまり気にしていなかったけれで、両耳の上がハゲてしまってビツクリ。
     
3ヶ月 ~ 4ヶ月
レット姫 病院 母親
・なんとか最低ラインで体重が増える。
・3ヶ月半で寝返りができるようになるが、寝返りをするときに、あおむけに寝返りコロン、コロンころがってしまい、寝返ったままでいることがあまりない。
・ガラガラなどを持たせるが、とにかくポトン、ポトン手から落ちてしまう。
・おっぱいを飲もうと口を開けるのに、吸い付くタイミングがわからないのか、おっばいをあげようとすると大泣きして、体を反りか返らせてしまう。
・手足をバタバタさせたり、手を口にもっていったり、キャッキャッ喜んだりしない。
・おしっこも7回以上出しているし、体重も少しずつ増えているので、だんだん飲むようになってくるから、あんまり心配して、お母さんがピリピリすると、ますますおっぱいを飲まなくなるヨ。 ・運動の発達の方は遅くないので『まぁこういう子供なのかなぁ~』でも、上のお兄ちゃん二人とは、ぜんぜん違う気がする。
・あんまり活発な動きはなく、あまり笑わない。
・「ア~」「ウ~」という喃語が少ない。
・毎日目覚まし時計を3時間おきにセットして寝る。夜中は起こしてもなかなか起きず、おっぱいを飲んでもまたすぐ寝てしまう。
     
4ヶ月 ~ 5ヶ月
レット姫 病院 母親
・体重が横ばいになり始める。
・いろいろ迷ったが舌小帯を切ってみることにする。
・クッションを使ってお座りを始める。おもちゃを口にもっていけないのか、おもちゃを触りながら口を「チュッパ、チュッパ」鳴らす。
・足をピョン、ヒョンすることもしないし手が不器用な気がする。
・舌小帯を切るということで、富山の清水先生を紹介してもらう。
・おもちゃで遊んでいるけれど、あまり積極的てはないよねぇ~。
・舌小帯を切ってみるが、やっぱり何も変わらなかった・・・。
・体がいつまでたってもフニャ、フニャで抱っこがとてもしづらい。
     
 5ヶ月 ~ 6ヶ月  
 レット姫  病院  母親
 体重変わらず。
・お座りがなかなか出来ず、クッションがなくてはすぐに倒れてしまう。お座りの時に体を支える手がいつも変で、手のひらではなく手のこうの方が床についていて何か変。
・小さい物が気になりだし、私の洋服のファスナーなどを触れるが、ファスナーを引っ張るのではなく、握るという感じ。
・歩行器に初めてのせた時は二人のお兄ちゃんたちと同じ物を触ったのだか、やっぱり不器用。
・カメラをむけると「ニッコリ」笑う様になる。
・朝、起きると枕がいつもびっしょり。
 ・離乳食を少し多めにたべさせてあげてと言われる。
・大平先生もこの頃から体がなかなかしつかりしてこないねぇと言っていた。
・発達の方はちゃんとしてきているので大丈夫。
 ・離乳食はよく食べたので本当に少し多めにあげる。
・スプーンを口に持っていくと、口をあけるが私の手をひっぱろうとしない。おせんべいなども手に持って口に持っていくが、私が気がつくと、いつも、おせんべいはどこかに落ちていた。
・体がフニャ、フニャな事などいろいろな事がだんだん気になりだす。
・すごく頭に汗をかく子だなぁ~。
     
 6ヶ月 ~ 7ヶ月  
 レット姫  病院  母親
 ・体重、横ばい。
・お座りがしっかりしてこない。こしがグラ、グラでだっこがしずらい。離乳食はまあまあ食べるが、ゴックンが上手に出来ない。手先が相変わらず不器用。
・いつも目がトロンとしていて周りの人に眠そうだネッ!と言われるが眠くなる時間ではない。
・人見知りが始まるが、お兄ちゃんのお友達が遊びに来ても無関心で、手に持っているおもちゃを取られても目で追うこともせず、泣くこともしない。
 ・おとなしいのが少し気になる。表情があまり豊かでないけどこういう子なんだヨ。
・離乳食も食べているのでもう少し様子を見よう。
 ・相変わらず、おっぱいを飲まず、食が細い。ボーロなどをあげるが手で取ろうとしない。
・筋肉に異常があるのではないだろうか?、家庭の医学や赤ちゃんの病気の本などを買ってみる。この時、気になっていたのは、フロッピーインファントとシャッフリングベービー。
・ジュースを飲むのにマグマグを持たせるがやっぱり手に持っていられなくて落とす。
     
 7ヶ月 ~ 8ヶ月  
 レット姫  病院  母親
 ・体重少し増える。
・お座りから進歩がなく、少し遠くのおもちゃを見るが手を伸ばして取ろうとしない。
・私のお財布や鍵などに興味を持ち出して手に取るが、お財布の中身を出そうとしたり鍵をどこかにさしたりすることはなく、本当に不器用。
・あやすと笑うが、なんか本当に「ニッコリ」するだけで体全体で喜んでてるようなことはない。
 ・やっぱり、何か気になるなぁ~。知的な発達は遅くないと思うが、体がいつまでたってもしっかりしてこないよねぇ~。  ・ぜったいになにかが変。どこかに異常があると強く思うよう様になる。
・ビンの中におもちゃを入れて見せると見ているがフタを開けようとしないなど、自分から何かをすると言う行動があまり見られず、目の前のおもちゃで遊ぶというような感じ。
     
 8ヶ月 ~ 9ヶ月  
 レット姫  病院  母親
 ・離乳食がなかなか進まない。
・目が間欠性内斜視にたびたびなる。
・つかまり立ちやハイハイの練習をするが体がグニャ、グニャで、ぜんぜんダメ。
・ものまね(いやいや、バイバイ)などをする。
・TELのおもちゃで遊ぶようになるが耳もとまでもっていけても、ポトンと落としてしまう。
・バイバイをするようになるが、手を上げるだけで横に手を振ることがなく、やっと手を上げているような感じ。
・絵本をよく見るようになるが、本のページを上手にめくれなくていつもおこって泣いていた。
・ときどき目が死んでいるように見えることかある。ボーッと遠くを見ているような目つき。
・幼児番組などを喜んで見ている。体の動きが少ない。
・寝て起きる時、泣いて起きるのだか、体と泣き声がワナワナ震える。
 ・やっぱりちょっと気になるから、大きな病院で検査をしてもらった方が安心できるから、一度検査をしてもらつたら・・・。
・岩槻の埼玉県立小児医療センターなら、何かわかるかもしれないから行ってみるといいよと言われる。
 この頃の私は、本当にいろいろな事を考える。知的発達は遅れていると思わないが、運動発達が遅れているのはなぜなのか?。
・やっぱり筋肉の病気だろうか?。
・近所の小児科で小児医療センターへの紹介状を書いてもらう。この時、血液の検査をするが異常なし。
・目つきが、すごく気になる。
     
 10ヶ月 ~ 
  レット姫  病院  母親
 ・おもちゃで遊ぶが、いつこうに手先が不器用。ボタンをおすのも5本の指で押すような感じで指を1本1本使うことができない。
・ないない遊びをしても私が彼女の手を持って箱などの所に持っていってあげて「ないないネッ」と言えば手を離しておもちゃを落とすが、自分が手に持っているおもちゃを、箱などに持っていけない。
・この頃からおもちゃを持とうとする手がときどき震えていた。
・テレビのコマーシャル(いつも同じ)を見るとすごく大泣きしたり、わけもなく大泣きする事がよくある。
 ・なぜ神経科に来たの?体が小さいので神経科ではなく代謝内分泌の方に行くべきではないのかと言われる。そんなに心配なら検査をしてみますか?と聞かれCT、MRI、血液、尿、末梢神経電導検査を受ける。全ての結果が出るのは2ヶ月後と言われる。
・代内と眼科を紹介してもらう。
・代内の検査も異常なし。体重が少ないので1ヶ月に一度くらい様子を見させて下さい。
・眼科の検査では遠視があるのでメガネをつくる。内斜視の方はメガネでよくなると思うと言われる。
 ・小児医療センターを受診する。  ・体が柔らかい。  ・運動の発達が遅い。  ・間欠性内斜視。  ・おもちゃを取ろう   とする時に手が震   える。 など、どこか様子が変です。体重が少なすぎなので・・・など伝える。


・手の震え、内斜視は遠視があったからだと思い、これて゜すべてが良くなると思っていた。でも運動の発達が遅いのは少し気になる。
     
 12ヶ月 ~  
 レット姫  病院  母親
 ・メガネをかけ初めた時は近くの物が良く見えているようだったが不器用は変わらない。
・この頃、おもちゃをとろうとすると目を白黒パチパチさせて、すごくおもちゃが取りずらそうに見える。 もしかしたらメガネが合わないのか?
・メガネをかけ初めて2週間ぐらいした頃、髪の毛をいじり始めるが、それほど気にならない。
・ある朝突然、目が覚めて彼女を見たら、髪の毛が両手にからみついて首などには髪の毛がボールのようになってくっついていた。もうビツクリ。 この日から髪の毛を常にいじるようになり、しばらくすると右手を口の中に入れるようになる。それと同時に、おもちゃなどをあまり触らなくなる。
 ・神経科の検査の結果は異常なし。「ものまねをするし、正常である確立の方が遥かに高いと思います。あと気になる事があったら、児童精神科の方に相談して下さい」と言われる。*ここて神経科は終了する。
・眼科の先生に「おもちゃを取る時に手が震えたり目をバチバチさせるのですか」と言うと「メガネはピッタリ合っているので様子を見ましょう」と言われ、2ヶ月後に眼科の予約をする。
・この間、2度目の代謝内分泌科を受診する。先生に「発達の遅れが出る病気はこの前した検査の他にありますか?」と聞くと、「他にもたくさんあるけれど、今は小さな体に負担をかけるだけだから、定期的に様子を見ましょう」と言われる。
 ・この頃から私は彼女の異常を確信する。

・彼女も、今まで出来ていた事か出来なくなってくる。横目づかいや耳の上の所を手のひらでたたいたり、あやしかけなどに笑わなくなったり、自閉的なところが出てくる。 しかし、私が「おいで」と言うと、ちゃんと手を出していたり、名前を呼ぶと振り向くなど自閉症にしては、ちょっと・・・と思うような所がある。

・知的な遅れかもしれないと思うが、私の言っていることはわかっていて「~どこ?」と聞けば、ちゃんと目で追っていたり、目で探していたりするので、知的な遅れとはあまり思わなかったが、運動発達は遅れていたので、もしかして?と思う。
     
 14ヶ月 ~  
  レット姫   病院  母親
 ・離乳食が上手に食べられずゴックンが下手。
・すっかり、手の常同行動が定着し、お座りで髪の毛をいじり、手を口に入れることを繰返しの毎日。
・「おいで」と言うとやっと手が出る感じ「ちょうだい」と言うと私の手に手をのせるが、ちゃくと私の手のひらに彼女の手が来たり、来なかったり。
・「プーさん」の事を「プー」と言っていたがこの頃からだんだん言えなくなる。
・体をそり返らせたりつっぱつたりするような事がたびたび起こる。頭を後ろにコックンとたおすようなしぐさも見られるようになる。
・一日の中でボーとしている時とシャキッとしている時の時間が長くなる。
・相変わらず、体はフニャ、フニャで進歩がない。
・手の常同運動、目を白目にして首を後ろにコクンとたおすようなことが毎日続く。
・「おいで」の手がだんだん上がらなくなる。
・おもちゃを顔の近くまで近づけてあげるとおもちゃを持とうとするが、すぐに手が髪の毛にいってしまう。私は何か感覚に異常が出てきているのではないか?と思う。
・髪の毛を触るのが好き、というよりは、無意識に髪の毛に手が行ってしまうような不随意的な動作に思える。
・好きな歌を歌ってあげると「ニッコリ」する。私の言っている事は理解しているように思う。
・運動の発達はお座りから進歩がない。
・デパケンを飲んだ夜、なんとなく気になって寝ている彼女をみるとなんだか少し苦しそうだったので、おでこを触ると熱が少し出ていて、脈が速くなっていたので、薬の副作用なのかと思ってすごくビックリしたが、彼女は良くよく寝て朝まで様子をみることにした。次の朝はケロッとしていたので病院には行かず・・・。 そして、その朝彼女にゴルフボールを見せたらなんと5本の指でちゃんとゴルフボールをつかんだので本当にビツクリして薬がよくきいたんだと思い、彼女の病気はてんかんだったのかと一安心したが、指が器用に動いたのはしの時だけだった。
・毎日熱が上がったり下がったりする。風邪っぽい様子はなく、しばらくすると熱が下がり本人は何でもない様子。
 ・眼科を受診する。この時、先生に「前に転んでも手が出ないし、メガネをかけて症状が良くなっているとは思えません」と言うと「目はよく見えるようになってきているはずなので、発達の外来の先生に一度みてもらったら」と言われ発達の外来にまわしてもらう。
・発達の外来を受診する。発達の先生に今まで出来ていた事がだんだん退行していることを説明すると先生も彼女を見て私にいろいろ質問するが、私の言っている事かよくわからないのか首をひねるびかり。私が「脊髄の病気ですか?」と聞くと「それはないだろう。病気と言うよりは発達の遅れでしょう」と言われ一度心理の先生と簡単なテストをして下さい、その結果をふまえてお話しますという事でした。
・臨床心理の先生と面接。「知的な発達の遅れがあります(3ヶ月の赤ちゃんぐらい)」と言われる。自閉症ですかと聞くと「自閉症は3才くらいにならないとわかりません」と言われる。
・心理士の先生が最後に「首をコクンと後ろにたおすしぐさが気になります。点頭てんかんのようにも見えるので、発達の田中先生は神経の先生だから神経科の田中先生の予約で外来を受診するように言われる。
・ふたたび神経科の外来を受診。 発作のようなものが起きていることは発達の外来の時に言っていたのですが、また細かく説明する。先生は「発作と言うよりはただのクセみたいなものじゃないかなぁ~ 点頭てんかんの場合もっと早い時期に発作が出るのが一般的なんだけどなぁ~。でもすぐに脳波を取りましょう」と言われ脳波の検査結果は異常が2ヶ所(スパイク波) しかし「点頭てんかんの脳はではない、異常があったのは確かだが、小さいうちはなんでもなくてもこれくらいの異常は出ることがあるから、あまり気にしなくていいから・・・」と言われ、一応クスリを飲みましょうと言うことで、デパケンシロップを1cc 飲んで様子を見ることに。 2週間後、神経科の予約をとる。
・2週間後、神経科を受診する。てんかんの発作みたいなものはぜんぜんおさまる様子はなく、熱のでかたが風邪とは違うし何か変だったので薬の副作用ですか?と聞くと「薬の副作用であるとは思えない。水分が足りなくなつたりして熱が上がったりしているのでは・・・」と言われる。あまり水分をとらせていなかったので、水分をなるべく多めにとらせる。
・水分を多めに取らせるがやっぱり熱が出るので先生にTELをして薬の副作用かと聞く。先生は「近くの小児科で風邪の症状が出ていないか見てもらって下さい」と言われたので近くの小児科を受診する。小児科の先生に彼女のことを説明し、飲んでいる薬の事も話すと風邪の症状はもなく副作用でもなく、中枢神経に異常のある子は、体温のコントロールが出来ない子が多いので熱を出すから涼しい部屋で様子を見て下さい。と言われる。(かき熱)
 ・自閉症なのか知恵遅れなのか、それとも神経の病気なのか?何だかわからなくて、毎日、毎日、医学書とにらめっこ。 「原因は何なのか?」と大きな声で叫びたくなるほど先生の言葉にイライラする。



・やっぱり発達の遅れなのだろうか? 発達の退行、発作のようなものが急に始まり、手の常同行動も自閉的になる。ただの発達の遅れだけではないのではないかと思えてしょうがなかった。なぜなら彼女は食べることも上手ではなかったし、体が本当に柔らかかったから・・・。 自閉症に近い症状だったが、自閉症の子供は運動発達が遅れるだろうか?自閉と言うとちょこちょこ動き回るようなイメージがあったので、知的な遅れのある子供は体がやわらかいと言うが食べることはあまり問題がないのでは・・・。原因がわからない・・・。
・点頭てんかんかも?と言われるが、点頭てんかんの子供をみたことかあったのでちょっと違うような感じ。私はこの頃脳性麻痺ではないだろうか?とも思うが、先生が違うだろうとおっしゃったので脳性麻痺でもないのかぁ。何の美容きなんだろ~。
・熱の上がり方が何か変で先生は水分を取らせればとおっしゃったのですが、彼女は喉が渇けばちゃんと水分は必要なだけ飲んでいたので水分が足りなくて熱が出ていると思うのはちょっと、私には考えられなかった。
・やっぱり神経に異常があったんだぁ~。 それから神経系の病気のページをいろいろと読んでみるとちょっと違うけど、少し似ているような症状が書いてあった。そして別の検査をすればぜつたいに異常が見つかると思った。
     
 15ヶ月 ~  
 レット姫  病院  母親
 ・発達の進歩はなく、だっこをしようとするとピックンとして体を後ろに反らしたり、私の話しかけなどに異常と思えるほどビクッとして首を横に曲げたり、ちょっと違う場所などに行くと体が異常に反り返ったり、発作の症状ではないかと思うようなものが出てきた。
・食事の時に体をギュッとつっぱらせる事がある。 ストローなども使えたり使えなかったり・・・。
・お風呂などもだんだん入れづらくなる。(急に体がつっぱった感じになるので)
・私が指をさして「これ見て」と言うと、ちゃんと見る時と、しばらくしてから思い出したように急に見たり、理解するまでにすごく時間がかかる事がある。
・ボーッとしている時間が長くなる。
 ・先生と、在宅の方とPTの方にビデオを見てもらうが、「ちょっとわかりづらいなぁ~。発作かどうかビデオではわからない」との事だった。私は何でわからないのかと思いましたが、親じゃないんだから、細かい所はビデオじゃムリなのかもと思う。 それならば薬をかえてもらおうと先生に相談する。薬の相談をしている時に彼女を見ていた在宅の方が「先生やっぱり変だヨ~」と言ってくれて「じゃ入院して、今出来る検査を全てやりましょう」との事その日に入院になる。
・入院する前に体重などを測ったので、この時以前ちょっと気になったレット症候群の事を思い出し頭囲はちゃんと発達していますか?と先生に聞いてみると「体のわりには頭は大きいし頭囲はちゃんと大きくなってるョ」と言われただけでレットの話は出なかったのでレット症候群でもないのかぁ・・・。と思う。
 ・彼女の症状がだんだん悪くなってきているのではないか?私は先生に何度も何か変ですと言うが、先生もただビツクリしやすいだけではないかと言うだけで、話をしても知的な遅れというような話にしかならない。「ちゃんと耳は聞こえていますか?」などと聞かれたり、周りに無関心であるなど、私は納得がいかなかったので「何度も同じ事を言って申し訳ないのですが、私の言っている事はわかっているみたいなんです。目はちゃんといろんな事を理解しているように思えるのでどこか神経に異常があるのでは」と言ってみるが、もう少し様子を見ましょうと言われるだけなので、私は発作の時のビデオを先生に見てもらうことにする。
・家に帰り「レット症候群」のページをもう一度読む。
     
 16ヶ月 ~  
 レット姫  病院  母親
 ・入院した夜はずっ~と泣きっぱなし。
・食事はきちんと食べている様子。(7~8ヶ月の離乳食)
・3日目ぐらいに私が病室にいくと、彼女はナースステーションにいた。私が声をかけるが、ベビーカーに座り、髪の毛をいじり、下をむいたままだった。本当に精神も退行してきているのだと思う。
・退院後、ず~っとベットに寝ていたせいか、お座りをさせると体がグラグラする。
・新しいおもちゃを見せると目を丸くして遊びたいような目をするが、髪の毛をいじる手の常同行動は、ますます激しくなる。 どうやら興奮したりすると髪の毛をおもいっきりグシャグシャしたくなるみたいだ。
 ・検査の結果はどの検査も異常なし。退院する前の夜、先生とのムンテラでの話しでは、やはり自閉症と知的な遅れの話が出た。 この時も私はいろいろ先生に聞くが納得する答えは出てこない。 「もしかして女の子だけにみられる病気ということはありますかぁ?」と聞くと先生は「う~ん」と言うだけで「まだまだ様子を見ないとはっきりした事は言えません」と言われる。 この時もレットの話はなかったので私はレットではないのだと思った。
・PTの時に体が動揺(グラグラ)か゜すごくて、これは変だということで、田中先生に来てもらうがやはり「う~ん」と言うだけで「あまりひどくなるようだったらすぐに言って下さい」と言われただけでやっぱり何だかわからない様子。
 ・医学書の「レット症候群」の所に×をつける。
・やっぱり、てんかんの症状なのか? でもちょっと違う。脳、神経の病気のところを何度も読むが彼女の症状に似ているがちょっと違うような気がする。




・PTの先生にも「何か、急速に進行している気がする」と話す。
     
 18ヶ月 ~  
 レット姫  病院  母親
 ・体の動揺はおさまった。
・食事には40分ぐらい時間がかかる。
・一日お座りをしているのでたまに、うつぶせにしてあげる。
・天気の良い日はお散歩に出かける。
・市が行っている発達教室に通い始める。
・歯ぎしりをするようになる。
 ・「ゴックンが上手に出来ないので、一度“もぐもぐ外来”に参加してもらっていろいろな先生に彼女を見てもらう事にしましょう。そしてトータル的な意見を出して、これからの事を決めましょう」と言われる。
*もぐもぐ外来 神経医・臨床心理士・OT・PT・歯科・在宅・栄養士・etcなどの先生が彼女の食べる様子を見る外来。
・食べ物は飲み込んでいるだけなので、もう少しやわらかい物をあげるように言われる。
・「両手をもみ合わせることはありますか」と聞かれ「髪の毛をいじる手の常同行動があります」と答える。
・2週間後に結果をお話します。

・2週間後結果が出る。 先生方が夜遅くま「もぐもぐ外来」のビデオを見て出した結果が「レット症候群」の可能性という事でした。インターネットで検索した「レット症候群」のページのコピーを見せられる。 この時、頭囲の発達の事や、明らかに正常な発達の事などを質問するが、これからいろいろな症状がだんだん出て来ると思いますと言われる。

・東京都立東大和療育センターを紹介される。
 ・臨床心理の先生に「両手をもみ合わせることがありますか?」と聞かれた時にやっぱりレット症候群なのか?と思う。 しかしどの本にも6ヶ月~18ヶ月までは明らかに正常な発達と書いてあるので彼女は生まれた時からどこか変だったのでちょっとちがうかなぁ。とも思うが、手の常同行動、発達の退行、自閉傾向などあるので、今度レットの話が出なかったら先生にはっきり聞いてみようと思う。
・「レット症候群」の話を聞かされ、ショックと言うより彼女が生まれてから1年6ヶ月毎日、医学書とにらめっこすることから開放されるんだと一番最初に思った。
・これから、DTやOTに通うには少し遠すぎるので近くの良い病院をし紹介してもらうことにする。
     

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レットの為の座位保持付車椅子の製作

座位保持装置付車椅子を作りました<柳沢俊男>

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この車椅子の製作は国立リハビリセンター(所沢市)で作りました。
 チームを組んで検討しながら作っていく大変ベターな環境です。今回作成にあたった廣瀬先生はレットの勉強をしてくださり、レット児の車椅子をいろいろと今後も検討してくださるとのことでした。
 そんなことで今回の製作にあたっての役場への申請書をしっかりまとめて書いてくださり、30万円以上の申請があっさり許可されました。
 申請書とレットの保護者の皆さんに向けて文書を書いていただきました。
 レットのお子さんが今後車椅子を作るのに大変参考になるのではないかとおもいます。

 廣瀬先生はレットのお子さんの車椅子について,今後携わりたいと言っておられます。都心近郊の方は是非、居住地の行政の許可を得て訪問されると良いと思います。国立機関ですのでOKはもらえると思います。
 但し、先生と言えども車椅子に対するの要求事項はどんどん言わないと子供のニーズに合わないこともありますので、その点配慮が必要と思います。

レット症候の座位保持装置の製作経緯
      <国立身体障害者リハビリテーションセンター研究所 廣瀬秀行>

座位保持装置基準外申請理由書

身体障害者福祉法援護承認通知

レット症候群の診断基準

レット症候群の臨床的診断基準

(The Rett Syndrom Diagnostic Criteria Work Group,1988)

1.必須項目

  1)明らかに正常な胎生期および周生期
  2)生後6カ月までは明らかに正常な精神運動発達
  3)出生時頭囲は正常
  4)頭囲の発育が生後5カ月~4歳の問に遅くなる
  5)生後6~30か月のの間に、獲得されていた手の合目的的な巧緻性が失われ、
    コミュニケーション障害や社会的な引き辺りを伴う
  6)表出言語や受容言語の著しい障害と、重篤な精神運動発達遅滞
  7)合目的的な手の巧緻性が消失した後、手のねじれ一手絞り、手叩き一指打ち、
    口動かし、手洗い-手こすりのようなマンネリズムな常同的手連動の出現
  8)1歳~4歳の間に、歩行失調、躯幹の失行・失調の出現
  9)2歳~5歳までは暫定診断である

2.補助項目

  1)呼吸障害 a)覚醒時の間欠的無呼吸
         b)断続的過呼吸。
         c)息止め発作
         d)空気や唾液を無理にはき出す
  2)脳波異常 a)背景脳波の除波化(3-5Hz)
         b)てんかん波の出現(臨床的に発作があってもなくても)
  3)けいれん発作
  4)筋肉の萎縮やジストニアをしばしば伴った痙性筋緊張亢進
  5)末梢の血管運動障害
  6)側湾
  7)成長障害
  8)発育障害の小さな足

3.除外項目

  1)子宮内成長障害の痕跡
  2)臓器肥大などの蓄積病の症状
  3)網膜障害あるいは視神経萎縮
  4)生下時における小頭症
  5)周生期後天性脳障害の痕跡
  6)既知の代謝性疾患や進行性の神経疾患の存在
  7)重度の感染症や頭部外傷などによる後天的な神経障害

Rett症候群:時期による臨床特徴と(鑑別診断)

Stage(Hadber & Witt Engerstrom)    臨床特徴


第1期(発症早期の停滞期)        発達停滞、頭/脳の成長の減速、
     発症:6~18カ月       遊びに興味をもたない、筋緊張低下
     期間:数カ月


第2期(急速な崩壊期)          急速な発達退行、易興奮性、不眠
     発症:1~3年         有口的に手を使用しなくなる
     期間:数週~数カ月       けいれん、自閉症状、白傷行為


第3期(仮性安定期)           知能障害、自閉症状の改善
     発症:2~10年        呼吸異常(過呼吸、息止め、空気嚥下、無呼吸)
     期間:数カ月~数年       けいれん、失調、失行、
                     典型的な手の常同連動:手の握りしめ、
                                手叩き、手を口に入れる


第4期(晩期の連動機能低下)       進行性側弩、筋萎縮、強剛、
     発症:10年以上        動きの減少:
     期間:数年~10年       けいれん頻度の減少

自閉障害と教育効果に関する研究  友久久雄 編著 による

側弯手術の経過報告と解説

側弯手術の経過報告と解説(麻帆ちゃんは95年7月に手術)

側弯の手術を終えて 田中正孝(父親:静岡県浜松市)


この7月4日に長女麻帆は、名古屋大学附属病院で脊柱側弯の手術を受け、無事に終了する事が出来ました。9月現在、リハビリ中です。
 レット児の側弯手術は国内では事例が少ないと思われます、同じような症例のお子様の一助になりましたらと思い、簡単に説明させていただきます。

手術を決心した理由

 角度の進行に伴って歩行の困難さが増してきたこと。
100度を越してから腰骨が肋骨内側に入り込むようになり、咳をした時に骨と骨が擦れる可能注が出てきたこと。しばしば激痛が伴います。

手術の内容

 腹部より切開して肋骨を1本はずして、図のように支柱と1つ1つの脊柱をボルトでねじ込みます。これらはチタン合金で造られていて、一生使用可能だそうです。手術時間は麻酔等の準備時間も含めて9時間かかりました。術中1つの骨を砕いてしまったので、より多くの時間がかかったとのことでした。抗ケイレン剤のデパケンの影響で骨が脆くなっているとのことでした。術後角度は105度から42度に改善されました。

術後

 8週間ギプスで固定したままベッドで回復を待ちました。
 それから、直立することから始めて歩行の練習に入っています。このリハビリを4週間ほどしてから退院となる予定です。

 詳細につきましては、事務局(TEL043-238-8898)まで。

側弯と手術についての解説
レット症候群における整形外科上の諸問題

International Rett Syndrome Association
                         著者:Paul D. Sponseller, M.D.
                     ジョンズ・ホプキンス病院整形外科助教授
                     翻訳:田中 正孝
                     日本レット症候群協会翻訳事業部

背骨の曲り (Scoliosis)

脊椎側弯とは?

 背骨はブロックで作られた円柱のように上下に重ねられた脊椎骨によって出来てい
ます。側弯とは、普通は直線である脊柱が螺旋階段の形状で脊椎骨が繋がっているこ
とをいいます(図1)。
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原因は?

 背骨の両側には筋肉があります。側弯の主な原因は、この筋肉の異常もしくはアン
バランスにあると思われます。レット患者には、一般的にこの傾向があらわれます。
側弯はまた脳性麻痺・脊椎披裂・脊髄損傷等の患者にも同じ理由で起こります。
左右のそれぞれの筋肉の張力の違いが背骨の曲りを作ります(図2)。この筋異常は
脳よりの信号の異常によって起こると思われます。
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いつ始まるのか?

 普通9~12歳に各々の成長に応じて曲りが始まります。まれに幼年期にも起こり
ますが、その場合急に悪くはなりません。レット患者は毎年側弯のチェックを受ける
べきです。X線でなくても発見できます。

レット症児における側弯症の割合は?

 人数の多い3つのグループを調査しました。それによると 3/4の確率で側弯がみら
れます。小さな曲りの患者は少数派です。まれに曲りの止まった子もいます。側弯症
はレットの謎の一つですが、研究が進むにつれてその原因もわかってくるでしょう。

進行度合いは?

 曲りの進行度は各々で異なります。図3を見て下さい。各患者を線で結んでいます。
横軸が年齢で、縦軸が角度を表わします。横軸と平行な線は進行のないことを示して
います。急角度の患者もいれば、そうでない人もいます。全ての患者を曲り始めから
調査していないので完璧な調査とはなっていませんが、一般的に大人に近付くと曲り
が増大することがわかります。
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側弯による影響は?

 1.座ることが難しくなります。(バランスがとりにくくなる)
 2.胸部のカーブによる肺への圧迫。70度を越えると重大な影響を及ぼします。
この角度を越えないように努めて下さい。

側弯は防げるか?

 残念ながらノーです。しかし、スタートからの処置方法はあります。

側弯の処置は?

 成長期の軽度の患者にはブレース(コルセット)を使用しますが、ティーンエージ
ャーもしくはそれに近い患者で、大きな角度の人は外科手術をします。

発見の仕方は?

 図4を見て下さい。後ろから見ればよくわかります。患者が直立できるならば、前
傾させて発見できます(B)。直立できなくても、座らせて上方より見下ろせばわか
ります。正常の身体であれば、背中の真中より左右の肋骨と筋肉は同じ形に見えます。
片方が盛り上がっているならば、X線の検査を受けて下さい。

X線検査はどんな間隔で?

 曲りが見つかって、ゆっくりとした進行ならば年に1回、進行が速くなったら6カ
月に1回受けて下さい。
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ブレースはいつ装着するのか?

 子供が成長中で20度~25度を越えたら着けて下さい。45度を越えるとその効
果は見込めません。

どんな形のブレースか?

 側弯を矯正するためには適当な部位にゆるやかな圧力をかけることが必要です。そ
のためにブレースは薄いプラスチックをジャケットの形に型取りをして、パットで補
正して作られます(図5)。服の下に装着します。体に傷をつけることはありません
が、患者がまだ年少だったり、患者の体がブレースより大きくなったりすると、強く
あたるところが炎症を起こします。ドクターの指示により、1日に18~23時間装
着して下さい。
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ブレースの効果は?

 曲りの増え方を遅らせることが目的です。戻してまっすぐには出来ません。
 ほとんどの患者さんは角度が増加するわけですが、この増加率を小さくするわけで
す。患者自身の成長が止まるまで、また40度~50度より少ない角度までブレース
で済ませることが出来ます。そして成長の終了期近くまで外科手術を遅らせることが
出来ます。
 中にはブレースが効かず、曲りが大きくなり過ぎて外科手術を受ける必要のある患
者も出てきます。

外科手術の決断時期は?

 ケースバイケースです。しかし、40度~50度までいってしまうと、成長が止ま
っても曲りの角度は進むようです。座りにくくなってから、また肺の問題が起きてか
らでは遅すぎます。多くの場合、40度~50度が外科手術を受ける目安となります。

手術による日々の生活の改善点は?

 術後、背骨が矯正されるとお座りがしっかりと出来ます。自分の力を支えるために
的確に手を使えるようになります。肺への圧迫も防げます。

側弯の手術とは?

 背骨をステンレススチールの棒で固定して補正します。骨のつなぎはこのスチール
棒にセットされてしっかりとつながれます。これにより、これ以上の曲りの悪化を防
ぎます(図6)。スチール棒は一部骨の下を通ります。そしてこのスチール棒は身体
に入ったままになります。この棒は患者が極度にやせない限り、身体に害を与えませ
ん。
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どのくらい矯正できるか?

 もともとの曲りの角度・年齢・背骨の硬さによって決まります。一般的には40~
60%の改善が望めます。またこの範囲に留めます。基本的には、手術することによ
って側弯の進行をなくすわけですから、あまり多くの矯正を期待すると脊髄を伸ばし
過ぎる危険を犯します。ですから外科のドクターは全く元どおりにしませんし、その
必要性も認めません。

発作を持つ子の麻酔への対応は?

 麻酔中は発作を抑制できますが、術後に問題が起きます。そこで手術前に可能な限
り発作コントロールをしっかり行って下さい。抗てんかん薬の血中濃度を術前にしっ
かりと範囲内に抑えて下さい。加えて術後直ちに適切な投薬をして下さい。またしっ
かりと栄養も摂ってください。

回復期

 手術当日、患者は一日中ウトウトしています。3~4日後になると気分もよくなり
食欲も出てきます。輸血も必要となるでしょう。これには事前の本人による献血、そ
して親族によるものでまかなえます。入院は6~10日です。

 余病併発の可能性としては、1)感染症(1~2%のリスク);最初の2週間ではっき
りとします。感染を防ぐために洗浄が必要です。2)ステンレス棒の移動(5%位のリス
ク);これには再手術が必要です。3)神経へのダメージ;これには大きな危険があります
が、危険率は 0.1~0.2%です。神経を傷つけると下半身が麻痺したり、片足または両
足が弱くなったりしますが一部は回復します。4)偽関節(Pseudarthrosis);脊椎骨との
接続ミス。再手術が必要です。約1%の確率で起こります。

何日で立って体重をかけることができるか?

 骨の質とステンレス棒のサポートする力によります。術後4~6日経てば充分に立つ
ことができます。何人かはブレースかギプスが必要で、この時期に使用します。6~8
週で元のレベルに戻ります。約6か月はジャンプしたりとかの過激な運動は慎んで下さい。

レット症候群における 心電図所見

レット症候群における「心 電 図 所 見」

都立東大和療育センター小児神経科
                   鈴木 文晴


最近出たアメリカの小児科関係の雑誌に“レット症候群には心臓の異常があり、それがレット症候群の子に時々見られる突然死に関係があるかも知れない。レット症候群の子では心電図の検査を定期的に受けた方がよい”という主旨のことが書かれていました。レット症候群の死亡例の2割くらいは原因不明の突然死であると、この中には書かれています。

 今までレット症候群と心臓病とのことはあまり関心が持たれていませんでした。また日本ではレット症候群の子の突然死というものもあまり耳にしません。しかし心電図検査は簡単な検査ですし、子供に痛いおもいをさせることもありません。先の論文の中身をどれだけ重視すべきか、まだ現段階でははっきりしませんが、会員の方に注意すべき点としてお知らせするくらいの価値はあるのではないかと思いますので、以下に要点を抄訳します。

  Sekulet al."Journal of Pediatrics" 1994;125:80-82. より抄訳

  国際レット症候群協会が把握している死亡例63例中、22%にあたる14例が直前まで健康状態が良かった例
 で、突然死と言える。これまでレット症候群で心臓の異常があるということは言われていなかった。心臓の異常が 突然死の原因の可能性もあるので研究をした。

 2歳から22歳までの34人の患者から合計で61回心電図検査を行った。そして同じ位の年齢の健康な子供の 心電図と比較を行った。この結果心電図のQT間隔の延長と非特異的T波の異常とがレット症候群で認められた。 その頻度は、1回だけの心電図検査をした例では21例中4例、複数の心電図検査をした13例中7例が、少なく とも1回以上の異常であった。ステージの患者11例中4例(36%)、ステージの13例中5例(38%)、ス テージの10例中5例(50%)でQT時間の延長が認められた。またT波の異常はそれぞれ36%69%、7  0%であった。比較対象の健康な子供では、QT間隔の延長という異常が認められたのは41例中1例だけ、また T波の異常の例は全くなかった。

 レット症候群の患者は通常年長まで生きられる。しかしレット症候群では突然死が少なからず認められる。今回 認められた心電図の異常は、年長になるにつれて頻度が高くなる。QT間隔の延長とT波の異常とはいずれも心臓 の電気活動の異常を示している。この原因が脳の心臓支配から来るのか、それとも心臓そのものの異常なのか、あ るいは過呼吸の結果であることもあり得る。現段階ではまだ明らかではない。しかし、レット症候群の患者の診療 では、心臓にも十分注意をしなくてはいけない。

 心臓の活動は心臓内を流れる電気信号の命令で支配されています。今回報告されているQT間隔の延長とT波の異常とは、この電気信号の伝達系統の働きが、正常と比べて悪いことを示しています。そしてこれが突然死の原因になる可能性は、ある程度否定できません。

 レット症候群のお子さんに突然死が多いとこの論文の中では書かれていますが、幸い私が今までに診た患者さんの中には突然死の例はありません。しかしながら、今後は心臓にも十分注意してゆきたいと考えます。また、心電図検査は簡単な検査であり、時間もかかりませんし、痛くも痒くもありません。会員の方も多くは定期的に通院されていると思います。受診時に希望されれば心電図検査はすぐできます。できれは念のために心電図検査を受けられるようにお勧めしたいと思います。